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「あぁ…?」
土方は結愛の言葉が少し気になり、抵抗を弱めた時。
「歳……………」
土方は、『やっぱり…来やがった……』とその声に恐る恐る目をやると、すぐ側で呆然と立ち尽くす近藤達がいた。
「おっ…おいっ!!誤解すんなこれは「ひでぇじゃねぇかよ!土方さんっ!!」
土方の言葉を遮り、原田が怒鳴る。
「抜け駆けなしだって言ったのによぉ!
実はあんたを追いかけてきた女だったなんて!!聞いてねぇっ!
しかも何だよその態度っ!こんな綺麗で一途な女!大事にしてやれよっ!!」
「いや…話を「全く左之の言う通りだ!こんないい女を他人扱いして、島原通いしてるたぁ、あんた本当の鬼だぜ!」
「だから…ちが「俺も見損なったよ!左之さんや新八っつぁんが土方さんの事、たらしだの貞操なしだの言っても、俺は土方さんは、そんな人じゃないって信じてたのに!!」
結愛は土方にすがり付く事に必死で、周りが何を言っているのか半分以上は聞いていなかったが、
浴びせかけられる罵声と一緒に聞こえてきた『土方』という名前に疑問を持つ。
誰が土方なのよ!お兄ちゃんは観月優人(ミズキユウト)なんだけどっ!!
ん……?
「お…前ら……ッ!?」
「…………………。」
結愛の下で土方はでフルフルと怒りに震え出す。
「………一まで……。
………ッ……お…前らぁ…!俺を…そんな目で見んなぁぁぁーーーッ!!!」
すると、ずっと黙っていた者が結愛の元へトコトコやってくる。
皆一様にキョトンとしていると
ぐぐぐいっ!!
ぽいっ。
ドスンっ!
「いったぁぁぁぁいっ!!」
その場にいた者は皆、口をポカーンと開ける。
総司が土方に抱きついている結愛を力任せに持ち上げて、畳の上に投げ捨てたのだ。
「……まじかよ…………。」
原田は結愛に駆け寄り、大丈夫か?と手を差し伸べようとするが
「何すんのよっ!!!」
結愛はバッと立ち上がり、ニコニコとしているが、目が笑っていない総司の前に立つ結愛。
そして総司は冷たく言い放つ。
「何が目的ですか?」
「お…おい総司…、その娘は捨てられた土方さんを追っかけてきたんだぜ?人聞きの悪ぃこと言うなよ!
優しくしてやんのが男だろ!」
「総司、悪ぃのは土方さんだろ、捨てた女は他人扱いして忘れてるなんて鬼畜同然だろ!」
「土方さんに弄ばれて捨てられた挙げ句、こんな仕打ちじゃ可哀想だよ!」
結愛をかばい、間に入る勘違い三馬鹿。
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