プロローグ

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「あの…………桃城くん…。」 はいはい、何でしょう。 お決まりのパターン。ありがちな光景。 てか、早くしてくんない? そっちが呼び出したんだからさ。 さっさと済ましてよ。 「あの…これ、受け取ってほしいの。」 差し出された、うす水色の便せん。 学校の屋上に6月の湿っぽい、肌にまとわりつく嫌な風が吹いた。 その子はずっと下を向いたまま、手紙を差し出す。 俺のことは見ない。 「イラネ。」 「………………え?」 言ったろ。二度も言わせんな。 「いらねって。そーゆーのもらっても俺読まねーし。」 「え?え…?」 理解しろよ。 言ってる意味わかんない?
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