放課後②

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「『国語の先生が犯人だったら身代わりになる必要はない。僕の罪は放火だけになる。』 放火でも十分重い罪だって分かってたけど、殺人を犯してないのなら真実を警察に話してやり直せるんじゃないかと思った。 …だけど。」 ごくりと生唾を飲み込む。 「少し前に学校が終わる時間帯、先生が出てくるのをずっと待っていて、タクシーで跡を付けたんだ。 …そして駅で男を助手席に乗せてホテルに向かったよね…?」 「…………だから、なに?」 「別によかったんだ。先生が幸せになれるなら。幸せにしてくれる(ひと)が見つかったなら。…でも。」 元男子生徒の声が重くなった。
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