第弐章-龍族-

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「そうですか…では試し斬りがが出来る場所へ案内してくれませんか?」 「えぇ…、勿論ですとも。 付いてきて下さいませ。」 と、マスターは先に行ってしまったために、急いで追いかけるのだが、周りから見れば銀色の髪の少年が中々趣味の悪い、金色の鎌を持って走っているのだ。 中々にシュールな光景である。 「さて、ここですが説明などは必要でしょうか?」 と聞かれたが、自分は心属性を使って切れ味を図るつもりなので、 「いや構いませんよ…。」 と言い丁重にお断りをした。 「そうですか…、では、必要となりましたらお呼びください。」 「行った…かな?」 『行っタミたイだナ。 で、どウヤって切レ味を見ルんダ?』 ≪心の力よ、  思いの力が力となる、  我が強き思いに答え、  我の望む物をこの世に作れ!  心ノ想像!≫ こうするのさ…、と呟き、詠唱を終えた後、目の前に銀色の鈍い光を放つ金属の塊が創られた。 『コの感ジは…、オリハルコンカ?』 「いいや…、オリハルさ…。 流石にオリハルコンはまだ創造できそうにないし、見た事もないからね。」 確かに僕の家は大商人だが、オリハルコンは取り扱った事がない。 オリハルならまだ触った事もあるのだが、世界中に10㎏も無いといわれている、幻の金属オリハルコンは殆どの人間が見る事も出来ずに死んでいくだろう。
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