第1章 【誘拐】

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「あっ!! これ預かったよ。 いつもの」 そう言って封筒を渡された。 「……今度は誰?」 私は送り主の書かれていない封筒をじっと見た。 「わからない。 高等部の人じゃ無かったよ? 見たこと無い人。 その人も人から頼まれたって言ってた」 私達は高等部の3年生、18歳。 「ふ~ん…」 興味無さげにポケットに封筒を閉まった。 「イイ男だったよ? 大学の人かなぁ?」 「どっちにしても、自分で持って来いって話だよね。 その時点でアウトかな」 私は苦笑いした。 「美華って彼氏作る気無いわけ!?」 「そっ…そんなんじゃないけど…」 「でも、私達ももう高3だよ? まだ誰とも付き合ったこと無いのって美華くらいじゃない?」 「朱里は大袈裟に言い過ぎ!! 絶対他にも居るってば」 私達は教室に入り席に座る。 私と朱里はいつも席が前後か左右。
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