9 計画の終わり

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 俺はアキからあの話を泣きながら聞かされて以来初めて、心晴れやかに微笑んだ。  そしてこの計画に最後まで付き合い――見破ってくれたひねりに心から言った。 「――ありがとうな。楽しかったぜ」  俺はアキに目配せをして、そっと頷きあった。  次の瞬間、俺達は肩を抱き合ったまま崖から海に身を躍らせる。  ――そう、計画通りに。 「先輩!!」  ひねりが追いすがるがその手は俺達には届かない。  飛びおりる瞬間も、海に落ちて行く間も、俺とアキは見つめあって静かに微笑んでいた。  ――もし真相が闇の中のままこの時を迎えたら、どれだけ暗く虚しい気持ちだっただろう。 「……ありがとう、ひねり――」  俺とアキは強く手を握りあう。  『死』という最後の裁きが訪れる、その瞬間まで――。  死んだ後も一緒にいられるよう、最後の願いをこめて――。
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