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「俺と海里(かいり)の作る赤ちゃんってどんな子かなぁ~?」
「な、なにを言ってるんですか…?」
夏の真っ只中、扇風機を効かせながらのんびりと縁側で、スイカを傍らに座っている男女二人。
男の名は大野義広【おおのよしひろ】
歳は22の大学生。
もう一人の女の名前は春野海里【はるのかいり】
歳は16の華の女子校通いの高校生。
海里は、義広に突然言われた子作り発言に困惑している様子だ。
「ん? いやな、そのうち俺らもこのまま付き合っていって、お前が卒業して、結婚して、そして子供計画を立てるわけだが、すると子供はどんな子に育つのかなぁ~ってな」
感慨深く語り始めて笑う義広。
それとは正反対に顔を赤面させて、あたふたと手を左右に振って海里は言った。
「な、ななっ、まだ私たちそんな関係じゃないですよね!?」
ものすごく早口で噛むこともなく言う海里。
そう言った海里の顔は、スイカの中身よりも紅く染まっていた。
「なんだよ、俺たち付き合ってんじゃなかったのか?」
「つ、付き合ってます! 付き合ってますけどぉ~………」
今にも枯れそうな声で返事をする海里。
目線はスイカの方を見ていて、義広の顔をまともに見れないようだ。
「じゃあなんだよ?」
ニヤニヤとイタズラっぽく笑いながら言う義広。
どうやら海里の言いたいことが分かっていながらの確信犯のようだ。
「うぅぅ……、ほらぁ……そのぉ……まだそこまで深い関係じゃないというかぁ~………」
それを聞いて更に嬉しそうにニヤニヤ笑う義広。
思わず萌え死にそうな海里の様子に、義広は本当に嬉しそうに悪魔的な顔で笑っていた。
「深い関係って?」
そこで追い討ちをかけた義広!
「ぁぅ……………………………………………、義広さんは子供が欲しい………ですか?」
赤面した顔を両手で覆い隠し、指の間から義広を見ながら言う海里。
果たして義広はどう答えるのか。
「………ぐはぁ!」
萌え死んだ。
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