少年懲罰

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 終業のチャイムが鳴り響いた。  普通の生徒にとっては授業から解放され自由を得られるこのチャイムだが、今日の八城にとっては気分を更に憂鬱にさせるものに他ならなかった。  今日八城は、放課後の懲罰を受けることになっている。  放課後の懲罰とはこのクラス独自の定めである。忘れ物、遅刻が一定期間内に一定の数を越えたら、放課後に生徒指導室に呼ばれ、懲罰を受けるというものだ。  その内容は実にシンプルで、尻を打たれるというもの。  最初は子供のようだと馬鹿にされていたが、最初の一人が懲罰を受けた後大泣きしていたのを見て、他の生徒も恐れてなるたけ罰を受けないような生活に努めた。  それでも中には罰を受けることになる生徒が度々現れるのだが。  八城もその一人で、運が悪いことに忘れ物、遅刻の両方で条件を満たしてしまった。友人達には可哀相に、と言う視線を向けられたが、八城本人にして見れば、痛みよりも恥ずかしさの方が苦痛だ、と、それだけのことだった。  
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