プロローグ

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目の前が、真っ赤に染まった。 意識を取り戻したみことの目に映ったのは、辺り一面の赤色だった。驚いて手を顔にやろうとして、両手が血で濡れているのに気付く。 なに?いったい何が起こったの? 確か映画を見るために真由と街に出掛けて……帰りがけに変な男達にからまれて……!そうだ真由は? みことは辺りをぼんやりと見渡すと、視界の片隅に彼女の姿が映った。 うずくまって震えているようだ。 のろのろと立ち上がると、真由の方にゆっくりと近づいた。足取りがひどく重い。 「真由……」 ようやくたどり着いて声をかけたその刹那、彼女は悲鳴を上げ懸命に後ずさる。 そして、恐怖に怯えながら、みことを指差して叫んだ。 「ば、化け物!」 みことの意識はそこで再び途切れた。
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