第1章 決意

2/11
170人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
『美神所長』 学生服に身を包んだままの横島忠夫が急にかしこまった。 (ふん、来たわね) 美神令子は余裕だった。 今日は横島の卒業式。何を言い出すのかは予想済みである。 『俺……独立します!』 既にGS資格を取得している横島の独立は法的には何の問題もない。 だが、この日本において独立した法人を起こすにはそれなりの手間と人材そして資金がいる。 『へぇ~いっぱしの口叩くようになったじゃない。でも、何の計画もなくちゃ野垂れ死によ』 美神は穏やかに言うが実は既に手はうってあった。 国内全ての銀行に横島に融資しないように圧力をかけてある。それに、横島を手伝いそうな連中の首根っこも押さえてある。 横島が独立を画策したところで、それは裸の王様 『それとも、それをダシに時給上げろとでも言うの? そうねぇ、まぁ、卒業したんだし、時給300円ぐらいにしてあげてもいいわよ』
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!