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小さな声と共に獣の爪が頬をつたった…どうやら本気で狙われているらしい…
しかも先ほどまでは虚ろな意識のせいで獣か何かに見えたように思えたが近くで見た印象は全く違う……
爪は30㎝はあろうかという程長く鋭利な刃物のようで………
体毛はあるもののその大きさからは想像出来ない程(実際先ほど体験したが)身軽な体…
そして何より二足歩行している…
今まで見たことのない…獣と言うよりは邪悪な化け物にはっきりと見えてしまったのである……
風零…「さっきの速さだと逃げても無理だ…戦うしか……ない…」
一瞬絶望したが持っている刀を頼りに戦うことを余儀無くされたと自分に言い聞かせ…刀を鞘から抜刀した…
鞘から抜かれた刀は刀身が不気味な閃光を帯びていた…
すると刀の光が照らされたのか獣が一瞬怯んだ…
その瞬間を逃せばもうチャンスが無いかもしれない…風零は獣目掛け渾身の突きを胸に突き刺した…
獣はまがまがしい雄叫びをあげながら動かなくなった…どうやら力尽きたようだ………
風零…「はぁ……はぁ……か…勝った…のか!?…」
風零はガクガクと震える足を抑えながらその場所にへたり込んだ……
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