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あ……そういえば。聖ティリンス教国の改造魔獣。たしか……ウエポンスネイクだったか?よく考えてみたら、あれも英語じゃん。
「なぁケイト?お前、教国に居たんだよな?」
「そうだけど……どうかしたか?」
「改造魔獣って知ってる?」
「んー?キメラみたいな?聞いたことないけど……」
「いや、分からないならいいんだ。ちょっと気になっただけだから」
うーん……ケイトが新しい勇者だから、改造魔獣を隠したか?今となっては分からない。ただ、教国に古代語を解読する技術があるってことは確実だな。最悪、古代語基本魔術を使えるってこともあるかもしれない。
「とりあえず、戻らないか?あの子らに黙って来ちゃったし」
「あぁ。それに、試してみたいこともある」
古代語が英語だった……ということは、俺たち以外のヒトたちも、英語での魔術……つまり古代語基本魔術が使えるかもしれない。あのときは、俺とケイトのように他の世界から来た者じゃないと使えないと思ったが、英語がこの世界の昔の言語なら、使える可能性はある。
なぜ使えないと思ったかだが、それは英語がこの世界にとって異物なんじゃないかと思ったからだ。古代語として存在し、実際に教国が古代語で魔獣に名前を付けている。それで、自信が持てた。
「さっきの場所に居るとは思うんだが……」
「ソ~ウ~シ~?」
「あ、やば」
俺の頭に、氷の杭が刺さった。
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