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「相模くん、見えない」 「花音さん、あんまやると扉開きますから」 湊眞はフッと微笑むと、扉に近付いてはパッと開けていた。 「何覗いてるのかな、二人共?」 「あっ!」 「ほら、バレちゃった」 花音と碧がこっそり覗き見ていたとは知らなかった雫は布団に潜り込んでしまった。 「ふふっ 雫ったら、照れちゃったの?」 「だ、ダメだよ? 覗き見なんて!」 雫が恥ずかしそうにそう告げると、湊眞は布団を剥いでいた。 「熱上がるから潜んないの?」 「だ、だって… 二人が覗き見するから恥ずかしい」 「ほら、出ていった」 湊眞が二人を追い出すと、雫は更に真っ赤になっていた。 「は、恥ずかしい」 「鍵掛けたから、もう覗き見は無理」 「え?! 鍵掛けたの?」 「まあ、聞き耳立ててるかもだけどな」 「や、やだ」 雫は扉をジッと見ていたが、湊眞は扉を開けると微笑む。 「居ないから大丈夫」 「もう、花音ったら… 悪戯っ子なんだから」 「雫? それより、もう寝ないのか?」 「あっ… そうでした」 「まあ、別に起きてるのはいいけど… 熱下がんないとな」 「…湊眞くん、まだ居てくれる?」 「うん、居るよ? 寝れるまでだけど…」 「…添い寝はダメかな?」 「…添い寝って」 「湊眞も寝るの」 雫は湊眞の腕を引っ張ると、隣に寝かせるのだから笑うしかない。 「フッ 雫、大胆だな」 「寝るだけだよ?」 「ふぅん? 誘ってるのかと思ったけど?」 「…添い寝だもん」 雫はそう告げると、湊眞にくっついて寝るのだから可愛くて仕方がない。
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