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「…ってこともあったなぁ。」
僕の思い出話はそこで一息をついた。
軽いため息をついて
僕は懐かしいその頃を思い出から再び今の世界にもどる。
「へ~、ちょっとロマンチックでうらやましいよぉ~。」
膝の上に座るツインテールの少女が
反り返って僕の顔を見上げるように言った。
「う~ん…ロマンチックといえばロマンチックだろうけど…う~ん…。」
僕は言葉につまる。
だって…ねぇ?
あれから僕達は…うん。
主に僕達というより『僕』は
いろいろ苦労したし…。
う~ん…。
苦悩する表情を見て
膝の上の少女は軽く苦笑して見せた。
「あはは…パパは苦労してるもんね💦だってママわがままだし、ツンツンしてるし…。」
それなりのフォロー(笑)
そう。
今となっては
僕は『サヤ』と家族になっているのだ。
「全くもってそうだよ…はぁ…。」
ホントにいろいろあった。
―ほとんど振り回された。
けど、二人の気持ちは結局、
変わることはなかった。
今となってはサヤとの間に
娘までいる。
「パパ?」
そのままの体制で少女が不思議そうに
こちらを見つめる。
「ああ、大丈夫。
なんでもないよ『ゆち』」
僕は微笑みながら
娘の名前を呼んだ。
「そう?…あ、パパ病院💦」
「え、あ、わとと💦」
病院についた僕達はある一室へ。
そしてドアを開けた。
とたんに
「遅い!」
第一声がこれ。
ベットの上に寝転ぶ女性が
怒った表情でワーギャー言っている。
「…はぁ。」
僕は女性に近づくと
無言で抱きしめた。
女性はそのとたんに無言になり
顔を赤らめていく…。
「二人目お疲れ様でした。」
僕が耳元で囁くと
「全くよ!なんで間に合わないのよ!バカバカ!」
と逆に耳元で騒がれる。
その様子をドアの近くで
見ていたゆちは
やや苦笑いしながら見ていた。
(…全く、パパもママも…
ふふふ。)
おしまい
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