カクシゴト

さくら

それから裕也にも変化があった。

さくらを気にし始めてんのが、嫌でもわかった。

今まで「さくらのことなんて妹としか思えない」とか言ってたんじゃねぇのかよ……

今さらそんな気起こされても困る。

さくらが辛い時、一緒にいてやったのが誰だと思ってやがる。

さくらが可愛いことに今更気づいてんじゃねぇ！！

……そう頭では思ってたのに――

「あんなお子さま、勘弁」

裕也の告白に

自分の気持ちを隠して、笑顔でそう言ってた。

だから、もう二人に関わりたくない。

もう、さくらの顔なんか見たくない――

そう思った俺は、
さくらに別れを告げた。