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その秀吉は一切黒田如水に油断をみせなかった。
こう言う人を見ると言う目が備わっていないと本人が優秀でも成功できない。
例えば上杉謙信は人を見るめがないため、何度も謀反されている。
信長なんて命まで取られている。
そう言う意味では大全は優れた資質に恵まれていた。
いいかえれば勇大の父親は人を評価出来る人間にであえたと言う事である。
しかし、それが幸運とは言えなかった。大全は家族には無償の愛を注ぐが他人に対しては心を開かない歪んだところがあった。
しかし大全だけをせめられなかった。何故かと言うと彼のもっとも敬愛する二人の人間が純粋がゆえに悲惨な死をとげたからだった。
そして、もう一つ悪かったのは二人の死に繋がる原因を作った人間が彼にとってあまりにもいがいな人物だったからだ。
そこから大全は人間不信になっていた、しかし人間不信になった分だけ家族に対する愛情は強く、ある意味溺愛とも言う部分があった
政界に置いては、もともと死んだ田中正三いがいに尊敬する人などないので風見鶏と蔑まれても平気だった。
「私の経験から言わしてもらえば高い志は、まだ力のないうちは表に出さない方がいい
貴方は優れた方ですが
未だ鼠
アイタ」
大全は片足を掴んでピョンピョンとんだ。
横で沙織里が腕をくんで言った
「パパ人を軽蔑するような言動はやめなさいよ」
「いや、沙織里、そう言う意味じゃなくて」
「どういう意味なの?」
「話と言うのは全体の流れで判断してくれないかな」
見かねて勇大の父が口を挟んだ
「おじょうさま、私は別に軽蔑されたとは思っておりませんから、」
「それは貴方がお鈍いからでしょ(もっと酷い事言ってるなこいつ)」
勇大の父ははなじらんでしまった。
それを見て勇大は沙織里を睨んだ。
しかし沙織里は、そんな事おかまいなしに父親たちを困らしていた。
『生意気な女、非常識な娘』
勇大が沙織里に抱いた印象は、けして良いものではなくなった。
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