線香花火

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線香花火がパチパチとはぜている。 紅く丸くなった先端から小さな火が生まれる。 いくつになっても、やっぱり線香花火はなんだか切ない。 切ないうえに今の私はやるせない。 目の前は真っ黒な海。 周りを見渡すとそこここで花火を楽しむ若者集団や家族、ちらほらとカップルもいる。 私達はどう映るのだろう? 若い男の子連れたおばさん。 下手したら、兄弟。 いや、もしかしたら親子か? 知らずため息がこぼれる。 「はぁ。」
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