線香花火

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「あの…。」 (お肌ツルツルだぁ。) 今日何度目になるのかわからない同じ事を思いながら、声の主を見る。 物問いたげな目が向けられている。 つまらない訳ではない。現に私のテンションはさっきまでマックスに高かった。 きっと線香花火のせいだ。 急に現実に引き戻されてしまったのだ。 「飲み物買ってきます。」 ツルツルお肌の若者は砂に足をとられる事もなく、軽やかに駆けていく。 聞きたかった質問を飲み込んで。
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