3171人が本棚に入れています
本棚に追加
/450ページ
「あと、これは僕から」
沖田さんは、竹の皮で編まれた四角い箱を私の前に置いた。
箱の中には、紺の生地に白い花がいくつか描かれている着物と、可愛い花の描かれた硝子玉が付いている簪が入っていた。
「これなら、普段も、それに祭の時も挿せるでしょ?」
「いいんですか?」
「お金もないんでしょ?」
「未来のものなら多少は持ってますけど」
私が笑うと沖田さんも笑った。
「もうすぐ、この辺りで大きな祭があるんだ」
「お祭り、ですか?」
「うん」
沖田さんは楽しそうに笑う。
「君はずっと屯所の中で引きこもりっぱなしだろ?」
「だから、祭くらい連れて行ってあげようかなって思ってさ」
「本当ですか!?」
「一番組の皆も一緒だけどね」
最初のコメントを投稿しよう!