第一章 さわやかな目覚め

2/8
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「はぁ~~…」 小鳥が冴えずる。 木々は風に揺れ、朝露をこぼす。 そんな中、彼はひとり溜め息をついていた。 「はぁ……どうしてだ、どうしてこうなってしまうんだ俺は…」 彼はこの物語の主人公。 見た目はいたって普通の冴えない1学生…辻本朔里(つじもとさくり)、16歳。 黒髪ショートヘアで痩せ型、肌の色は白く、いわゆる今流行りの草食系男子である。 そんな彼には悩みがあった。 それはもう、たくさん。 「はぁ………運動はダメ、勉強も中の下だし、女の子ともろくに喋れないし、高校入っても帰宅部だし…」 そんなネガティブの塊のような彼の日課。 「あぁ神様………どうか俺の性格を真逆に変えてください…。」 それは、祖父の代からあると言われている近所の祠。ここに毎日欠かさずお参りをすること。 「はぁ…もう仏でも悪魔でも幽霊でもいいから、俺を変えてくれ~…。」 朔里はいつものようにほんの2、3日まえに供えたばかりの榊の水を取り替え、手を合わせてから立ち上がり、学校へと向かった。image=360778705.jpg
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!