飛べない少年

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飛べない少年

―あなたは飛べる? 愚問だった。僕は人間だ。人間には羽がない。それを補う力もない。とかく地にへばりついて、遥か頭上の大空に想いを馳せることしかできない、僕はそんな、ただの人間だ。 ―私は飛べる。 だが、目の前の人間は、臆面もなく言い切った。 僕にはそれが信じられない。飛べない。飛べるわけがない。 ―なら、見せてあげる。 そう言って、自分の身体を地面に縛り付けていた金網から、手を離す。 次の瞬間、その身体は宙に舞った……
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