初めまして。

2/34
4024人が本棚に入れています
本棚に追加
/506ページ
  「ねぇ、今度食事にいかない? 夏南(かな)とあたしと男の人、二人で!」 落ち着いた雰囲気のこじんまりとした喫茶店に、似つかわしくない陽気な声が、小さく響く。 その声で発された言葉が、夏南と呼ばれた私には理解出来ずに、首を傾げる。 「……食事?」 「ご飯だよ、ごーはーんっ」 聞き返したものの、どうも私の言葉足らずだったみたい。 もう、と言いたげに頬を膨らませるのは、幼なじみの平岡 渚(ひらおか なぎさ)。 「それはわかってるけど、渚と私と、男の人と二人って……。つまり、どういう事?」 目の前にあったアイスコーヒーを手に取り、静かに啜った渚に、今度は上手く尋ねてみた。  
/506ページ

最初のコメントを投稿しよう!