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「ねぇ、今度食事にいかない? 夏南(かな)とあたしと男の人、二人で!」
落ち着いた雰囲気のこじんまりとした喫茶店に、似つかわしくない陽気な声が、小さく響く。
その声で発された言葉が、夏南と呼ばれた私には理解出来ずに、首を傾げる。
「……食事?」
「ご飯だよ、ごーはーんっ」
聞き返したものの、どうも私の言葉足らずだったみたい。
もう、と言いたげに頬を膨らませるのは、幼なじみの平岡 渚(ひらおか なぎさ)。
「それはわかってるけど、渚と私と、男の人と二人って……。つまり、どういう事?」
目の前にあったアイスコーヒーを手に取り、静かに啜った渚に、今度は上手く尋ねてみた。
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