一章 夢から覚めて

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―――そこは見た事もない綺麗な場所だった。 遠くには大きな山々が連なり、眼下には森、そこから飛び立つ鳥。 空は茜色に染まり、ストラがもうすぐ沈もうとしていた。 高い高い山の上。 緩やかな風が吹く山の山頂で、そんな景色をじっと見つめる少女がいた。 彼女の足下には綺麗な花がたくさん咲いていて、彼女はその花を一つ摘むと、手のひらをゆっくりと広げた。 花は風に乗って空へと舞い上がる。 高く高く、見えなくなるくらいまで高く。 「セシリア」 俺は彼女に声をかけた。 金髪の髪をなびかせながら彼女は振り向いて、いつものように無邪気に笑って見せる。 「ルイ。どう?見てよ。綺麗だよねこの景色」 その景色は何度見ても優麗なもので、まるでその景色に吸い込まれてしまいそうな感覚さえ覚えた。 「あぁ…すっげぇ綺麗だな」 「終わる事のない夕暮れ。この景色は変わらないんだ」
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