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「なんで太陽がないの? あった方が明るいと思うけど。それにレンゲも、花なら太陽が必要じゃないの?」
この明るさなら確かに太陽がなくても大丈夫だと思うけど、レンゲ達は植物だ。それなら、太陽は必須であるはず。
だけど、レンゲはにっこりと笑った。
「アリスに必要のないものなんて要らないわ!」
私……太陽好きなのに。夕焼けとか。
だけど、レンゲの笑顔を見ると、とりあえず『太陽は必要のないもの』で処理しないといけないと頭の中で無理に納得した。
その様子を見守っていた帽子屋が一段落ついたところで口火を切った。
「さて! アリスもルリ君も、一応レンゲも気を付けてね! ルリ君は帽子の事で相談があったらいつでも来てね!」
ぶんぶんと長い袖を振る帽子屋は、子供独特の無邪気な満面の笑みでそう言ってくれた。
私も笑顔でそれに返した。
「うん、帽子屋もいっぱいお世話してくれてありがとう」
ゆっくり休ませてもらったり服をもらったり、本当に帽子屋には感謝しきれない。
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