第10章 ステージボス2

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「そう簡単には行かせてくれないか。」 モンスターは警戒しているのか、 攻撃を仕掛けてこず、ただ円盤の周りを旋回している。 「《有》を喰らう《無》の獣〔コルザボロ・ウ゛ィストラーウ゛ェ〕」 旋回していたモンスターの、首や翼や胴体が消失する。 「あれ、なんでお前がいるんだ?」 リオンはこの円盤を浮かび上がらせるため、 魔力を流していたはずだが。 「さすがに僕の魔力じゃ、きついからね。 魔力量の多い唯ちゃんに変わってもらったんだ。」 「そうか。 なあリオン、さっき放ったスキルなんだけど、 前ホメロスが使った時とは違う気配を感じたのは、オレの気のせいか?」 前ホメロスが使った時には、蜘蛛のような気配を感じた。 だが今回は、百足のような気配を感じた。 あのスキルで出てくるのは、何種類もあるのか? 「その事か。 あれはね、正確に言えばスキルじゃないんだ。 ていうか、この剣にスキルはないんだよ。」 「スキルがない?」 「そうなんだ。 《有》を喰らう《無》の獣はスキルじゃなくて、この剣そのものなんだ。 それは、持つ者によって姿を変えるんだ。 そしてこの剣は《無》という属性の性質で、 他の武器のスキルをこの剣のものにできるんだ。」 「その剣そのもの、ってのはイマイチわからねえ。 でも、これでホメロスが複数属性のスキルを使えたかわかったぜ。」
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