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「そう簡単には行かせてくれないか。」
モンスターは警戒しているのか、
攻撃を仕掛けてこず、ただ円盤の周りを旋回している。
「《有》を喰らう《無》の獣〔コルザボロ・ウ゛ィストラーウ゛ェ〕」
旋回していたモンスターの、首や翼や胴体が消失する。
「あれ、なんでお前がいるんだ?」
リオンはこの円盤を浮かび上がらせるため、
魔力を流していたはずだが。
「さすがに僕の魔力じゃ、きついからね。
魔力量の多い唯ちゃんに変わってもらったんだ。」
「そうか。
なあリオン、さっき放ったスキルなんだけど、
前ホメロスが使った時とは違う気配を感じたのは、オレの気のせいか?」
前ホメロスが使った時には、蜘蛛のような気配を感じた。
だが今回は、百足のような気配を感じた。
あのスキルで出てくるのは、何種類もあるのか?
「その事か。
あれはね、正確に言えばスキルじゃないんだ。
ていうか、この剣にスキルはないんだよ。」
「スキルがない?」
「そうなんだ。
《有》を喰らう《無》の獣はスキルじゃなくて、この剣そのものなんだ。
それは、持つ者によって姿を変えるんだ。
そしてこの剣は《無》という属性の性質で、
他の武器のスキルをこの剣のものにできるんだ。」
「その剣そのもの、ってのはイマイチわからねえ。
でも、これでホメロスが複数属性のスキルを使えたかわかったぜ。」
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