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「なんだアイツ」
レンのよそよそしさに
リュウガは眉間に皺を寄せ呟く
あたしはそれに答えることも出来ず
校舎に消えていくレンの後ろ姿しか見られなかった
「スズ」
ふと呼ばれて
車の中を覗き込むと
真剣な顔をしたサクヤが
こちらをじっと見ていた
「スズ、曖昧なままにしておくな
このままズルズルしているとレンは離れていくぞ」
そう言ってあたしから目を逸らすと
レンの消えていった校舎に目を向け
ポツリと呟いた
「曖昧なままよりもハッキリさせることの方が優しさだ」
「…ん」
サクヤの言葉で
あたしは大事なことを思い出した気がした
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