読書感想文②

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 この本では筆者が実際に現地へ行って体験したことをもとに、被災地の現状やそこで暮らす人々のことも取り上げられていました。現地では、学校は荒れ果て、教会は机や棚など、金目のものは全て盗まれていたそうです。盗まれたものは都会に売りとばされ、何も知らずにそれらを買った人々は、その大量の放射能を帯びた机などを使って生活していきます。あり得ないことの様ですが、本当にある話です。被災地の人々は避難しましたが、お年寄りは住むところが無く、結局被災地へ戻って、危険と知っていながらも生活している人が未だにたくさんいるそうです。  この本を読み、あまりにも悲惨な現実を知って、私は絶望しました。広島や長崎の原爆については学校でも教えられ、こんなにも酷いことがあったのだなと思っていました。だからこそ、それの五百倍の放射能を浴びたというのは、到底考えられないことでした。  一九四五年に広島と長崎に原爆が投下されてから、この本が書かれた時は五十年、そして今年は六十五年が経ちました。広島と長崎の原爆については、日本人なら誰もが知っていると思います。しかし、チェルノブイリ原発事故については、その時ニュースで知った大人はともかく、私たち若い世代は知らない人が結構いると思います。たとえ他国のことであっても、このようなことは原爆と同様にもっと若い世代に伝えていくべきではないかと思います。「原爆はあってはならない危険なもの、原発は便利で安全なもの」と考える人もいるかもしれませんが、原子爆弾と原子力発電は使い方こそ違うものの、どちらも同じくらい危険なのです。
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