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パンダのパペットを手にはめた女性が、男の子の口にそのパンダを押しつけて唇を奪う。
唇を‥奪う‥
忘れようと、記憶の彼方に押しやっていたあの事が蘇る。
奪った‥
その言葉が、重く胸にのしかかった。
あんなことをしても、海紗の気持ちまで奪えるわけがないのに‥
「藍良、起きてて大丈夫なの?」
頭の上から降ってきた声。
誰かを確認する必要なんて無い。
「‥海紗‥」
「アイス、食べる?」
「‥うん」
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