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アヤカとハルのやり取りを見て、紗奈は笑っていた。
その様子を見て、二人も気合いを入れて言い合いをしていた。
「お、もぅこんな時間か。」
三人が時計に目をやると、12時を指していた。
「そろそろ帰るかな。」
ハルはゆっくり立ち上がった。
外の車の音に気づき、
「あっ、拓兄帰って来たかな。」
ガラッ
玄関が開く音が聞こえ、アヤカがルンルンで階段から顔を出した。
「おかえりー…。…龍之介…。」
アヤカの声に、紗奈とハルは振り返った。
「…紗奈、いる?」
アヤカは紗奈を振り返った。
「…聞こえた?紗奈。」
眉間にシワを寄せ、うつむく紗奈にハルは
「行く必要なんかねぇよ。」
ハルがトントン…と階段を下りて行った。
紗奈はポケットに入れてあった携帯を見た。
着信はない。
メールも入っていない。
この画面は何度も見た。
アヤカ達に心配をさせないために、いなくなった時に、トイレで…
何回も確認していた。
もしかしたらバイブだったから気づかなかったのかもと、何度も何度も…
携帯の電子文字も00:03を指していた。
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