プロローグ

2/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
頼れる女達である そして特筆すべきはこの城に勤める人間はほとんど女性で 希少な男性陣はなんと彼を含め3人しかいないということである 驚くべきことだが 全ての人事も君主の意向一つということで つまりは想像通り そういうことなのだろう 城はこれ以上なく結束し 彼も心身共に満足している そして更に驚くべきことは この栄華を極める城の城主は 実は何も王侯貴族では無いということである 国際連盟に名を連ねる一国の国主ではない ならビジネスで巨万の富を築いた大富豪というわけでもない そもそも彼は未だただの少年であり 社会的地位も持たず ましてや国王の範たる何も知らぬ真似事で この浮世絵事のような世界のトップに君臨するに到った それはまさに狂気的な事実である 大勢の侍女たちの長で仕事を割り振り治安・風紀・秩序を滞りなく管理し纏めあげる役所が設けられている その肩書きは もはや並ぶものが無い「大元帥」と言われている それは責任重大だが栄えある役割で責務を凛と全うする彼女の器量たるや底知れぬ物がある 怠慢な君主を差し置き 便宜上彼女を城のリーダーとする向きもある 徹底的な性格で厳格だが 新兵を慰める時見せる優しい笑顔に厚い人気がある
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!