ひとつめの部屋

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――ひっく。ひっく。 泣き声が聞こえる。小さな泣き声。 誰が泣いているんだろう? 「‥‥‥‥‥」 夢の中で泣き声が聞こえて、私は目を覚ました。 時計を見るとまだ午前2時。 ベッドに入ったのが12時過ぎだから、まだ2時間も眠っていない。 ――もう一度寝よう。 そうして目をつぶったのはいいものの、さっきの泣き声が耳について離れない。 妙に頭が冴えてしまって、寝ようとしても眠れないと悟った私は、無理に寝るのを諦め、脳に従って泣き声のことを考えることにした。 そうすれば、いつの間にかまた眠りについているだろう。 「夢なのに、リアルな泣き声だったな‥」 ――ひっく。ひっく。 それは不気味なほど現実味を帯びた泣き声だった。 そう、まるですぐ側で聞いているような――
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