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結局何もなく、俺はなんだったのかを確認するため茂の方を見ると。
茂はとんでもないアホ面で鼻糞をほじっていた。
「あほーが見ーるぅ、豚ーのけーつー」
うぜぇ…。
『どうやらバグが発生したようだな…岡崎聡よ』
「バグが発生している奴が、メインコンピューターをいじれるとでも思ってんのか?」
『むぅ…では一体なんだぁぁ!?』
∞が喋っている途中、∞の後頭部に大人二人分くらいのサイズの小隕石が突然降り注ぎ、衝突した。
かなりの速度で接近し、∞の後頭部に当たったにも関わらず、∞には傷一つついていない。
『なんだ…隕石?』
「だから言ったのに…、人の言うことをちゃんと…ちゃんと聞かないからぁぁぁぁあ!!」
……。
……うぜぇ。
「ん?というより茂、どうしてあれが来るとわかったんだ」
「隕石自体が接近するのは未来予知でわかっていたからな、後はどううまく∞に当てられるか…まぁあんまり効果なかったっぽいけど」
なるほど…だからわざとああいう風に挑発して、気づかれないように隕石をぶつけたという事か。
「さて、あれで倒せないとなると、ゼクセルにまかせるしかなくなるんだけど、でもゼクセルも苦戦してたっぽいしな…」
「確かに今の状態じゃ俺は∞を倒す事は絶対にできない、だから茂に時間を稼いで欲しい」
「時間?」
茂が首をひねらせてそう聞き返してきたため、俺は∞に声を聞かれないよう小さい声で話す。
「これから俺はある技を発動させる、その技は発動するまで無防備になるんだ」
「その間守れと?」
「…無理に等しいのは分かっている、でもこれしか勝つ方法はない」
「無理?は…舐めてもらっちゃぁ…困るんだよねぇ」
茂はそう言うとメインコンピューターから離れ、∞の頭部に顔を向ける。
「時間制限はあるが…今の俺はいつもとちょっと違うぜ」
『つまりそれは我と敵対するという事か?岡崎聡』
「ゼクセル、さっさと始めろ、時間がない」
茂はそう言うと俺に背中を向け、頭上の∞からの攻撃に備え始めた。
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