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家に帰り、ルーをいれて少しはまともになったカレーを食べる。 「まずいな」 「そうだね」 二人してスプーンの進みは遅かったが、なんとか食べあげた。 「風呂やっとく。後、洗濯物も」 隆一郎もさすがに悪いと思ったのか、普段綾がやる家事を手伝った。 ―――― ひとしきり家事を終えた後、綾は自分の部屋へと閉じこもる。至福の読書タイムだ。 綾は「魔王」を読み終わると、すぐに翔平にメールをした。 翔平はマメに返事をくれ、綾はとても嬉しかった。 その点、大陽は違った。 (なんで俺より、“あや”への返事が早いんだ?) 今日は、大陽から“あや”へメールがきた。 「今日は来てくれてありがとう。また試合が近くなったら連絡するから。…もしよかったら、また一緒に帰ろ」 綾は、天井をみつめた。 「またストラップ探しとかは、やだなぁ」 可愛らしい物を買いに行くのは、雛子だけで十分だった。 「いいよ。でもストラップはいらない」 送信をすると、すぐに返信がくる。 「ごめん、次は綾ちゃんが喜ぶとこ連れてくから」 綾は、ゲーセンしか思い浮かばなかったが、「わかった」と送った。
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