5117人が本棚に入れています
本棚に追加
/487ページ
家に帰り、ルーをいれて少しはまともになったカレーを食べる。
「まずいな」
「そうだね」
二人してスプーンの進みは遅かったが、なんとか食べあげた。
「風呂やっとく。後、洗濯物も」
隆一郎もさすがに悪いと思ったのか、普段綾がやる家事を手伝った。
――――
ひとしきり家事を終えた後、綾は自分の部屋へと閉じこもる。至福の読書タイムだ。
綾は「魔王」を読み終わると、すぐに翔平にメールをした。
翔平はマメに返事をくれ、綾はとても嬉しかった。
その点、大陽は違った。
(なんで俺より、“あや”への返事が早いんだ?)
今日は、大陽から“あや”へメールがきた。
「今日は来てくれてありがとう。また試合が近くなったら連絡するから。…もしよかったら、また一緒に帰ろ」
綾は、天井をみつめた。
「またストラップ探しとかは、やだなぁ」
可愛らしい物を買いに行くのは、雛子だけで十分だった。
「いいよ。でもストラップはいらない」
送信をすると、すぐに返信がくる。
「ごめん、次は綾ちゃんが喜ぶとこ連れてくから」
綾は、ゲーセンしか思い浮かばなかったが、「わかった」と送った。
最初のコメントを投稿しよう!