~Prologue~

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大陸一の軍事力を持ってして栄華を極めし王国ヴァリスタン。 そこから少し離れた丘の上には、白亜の校舎が雄々しくそびえ立つ。 周囲には木々が途切れながらも群生しており、歩道こそあるものの辺境と言わざるを得ない。 それでも人の気配が絶えないのは、我こそはと学生達が競って足を運び続けるからだ。 理由は至って簡単、かつての大戦で活躍した賢者の称号を手にした英雄が学園を治めている事が大きい。 それに加えて、数々の優秀な魔術師達を産出しているという経歴も手伝っているのだろう。 他にも色々な諸説もあり、名のある貴族達は競って自分の子供を入学させようと躍起になった。 その風評は大陸全土に広まり、正式に王国からの援助を受けるのに時間は掛からなかった。 その学園の名を人々は、王立魔法学園ケルビムと呼ぶ。 そして、その学園内の講堂にて新たなる伝説が始まろうとしていた。
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