第2譚 辱められる英雄

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「混沌の坩堝っていうのか~」 店前に立てかけてある黒板には、店名の他にも今日のオススメなどが書いてある。 「おっ、やべぇ!  この店、パン屋だぜ?」 眩しいくらいに瞳を輝かせているのだから、この場合のヤバいは好物を指すのだろう。 現にラゼルはリュオをそっちのけで店の中へ走り去っていった。 ラゼルの後を追って入店すると、店内は艶のある木製で明るく楽しげな雰囲気を醸し出している。 肝心のパンの方も品数がヤケクソと思える程に置かれている。 そして、何よりの目玉は… 「安いッ!!  ほとんどのパンが王都の半額だ…  この店って食べ放題とかやってねぇのかな?」 そして、何よりの目玉は学生でも気軽に買える安さ。 現にラゼルは価格を目のあたりにして子供のようにはしゃいでいる。
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