第2譚 辱められる英雄

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「おぃおぃおぃ!!」 「いいぞ、もっとやれ~!!」 「納豆イチゴマシュマロナンを躊躇いなくいきやがったぁ~!!」 近くに来ると人々が中心に声援を送っているのが分かる。 「ちょっと…すいません。」 前にいる人に一言いれて、中心を覗き込むと友人となったばかりのラゼルがいた。 しかも、訳が分からないことに精算前のパンを大量に食い散らかしている。 「ちょっ…ちょっと待って!  本当に食べ放題なんてあったの?」 人だかりを割ってパンを咀嚼しているラゼルに聞いてみる。 「…ひらね。  レジ混んでるひ後で払ふは。」 次から次へとパンを頬張りながら後で払うとほざく出来たばかりの友人。 「ダメだ、コイツ…  早く何とかしないと…」 そのメチャクチャな行動は彼の人間性を疑わさせるのには充分だった。
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