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この手紙は、おじさんが4年前、私の所に訪ねて来る直前に書いた物らしかった。
どうなのか、もう事実は解らない。
が、もっと早く、教えてくれればと思った。
それなりの接しかたもあったかも。
ただ、自分でも何となく、おじさんと似通った所もあったように思う。
気付くと私は、涙を流しながら、笑っていた。
それに気付いた竿美が心配そうに
「どうしたの」
と、恐る恐る、私の顔を覗き込んだ。
私は
「いや、別になんでもないんだ。
おじの手紙にちょっと、感動してね」
と、ごまかした。
ただ、そうなると、少しばかり、心配ごとができた。
それは、私がおじさんの子だとしたら、私も、将来、額が広くなっていってしまうのではないか、ということ。
である。
完
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