序章みたいな感じ

3/6
5049人が本棚に入れています
本棚に追加
/290ページ
「あぁ・・・・・・もういいや。一回部屋から出て落ち着きなよ」 父さんの床掃除を見ていられなくなり、部屋からの退室を促す。 拭いてる側から垂れる新しい鼻水。 無限サイクルの出来上がりだ。 「・・・・・・」 俺の促しを聞いた父さんは無言で頷きながら部屋から出ていく。 はぁ・・・・・・仕方ないから俺が掃除するか。 まずは雑巾を探して・・・・・・ 「透、ちょっといい?」 部屋にある引き出しで雑巾を探してると、また部屋に誰か入ってきた。 入ってきたのは黒い長い髪がよく映えてる女性。 まぁ・・・・・・俺の母さんなんだけど。 「お父さんから・・・・・・聞いた?」 ベッドに俺を座るように促してから、俺が座ったのを見て、隣に座る母さん。 母さんならしっかり説明してくれるかな? 「いきなり一人暮らしって、なんかあったの?」 「うん・・・・・・アメリカの研究室に来ないかって」 俺の髪を撫でながら、母さんが質問に答えてくれる。
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!