氷点下のプリンセス

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「まずはスープから作らないと」 「まさかの手作り!?」 予想外だよ、予想外すぎる言葉だよ。 まさかスープ作りから始めるなんて。 「なによ。文句あんの?」 「一から作るんですか?」 「当たり前じゃない。スープは鶏ガラベースで良いわよね」 「そ、それは良いんですけど」 今からじゃ手間がかかり過ぎちゃうじゃないのか? でも梨里さんはやる気満々だし。 「明日の夜には間に合わせるから」 「いいですっ!一から作らないでいいです」 正直そんなに待ってられないよ。 結構今の段階でお腹空いてるしさ。 「あら、せっかくなのに。そんなに言うなら仕方ないわね」 口調は残念そうなのに、表情が明るいのはなんでなんでしょう。 なんか梨里さんの策に嵌まった気がしてならない。 「ならこれで」 明るい表情のまま、梨里さんは棚をごそごそ漁って、三つのカップ麺を取り出す。 それをテーブルの上で蓋を開けて、ポットのお湯を中に注ぐ。 お湯を淹れて三分経つと、 「はい、召し上がれ」 結局予想通りの夕食になりました。
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