無気力少年・春斗
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チキチキ、チキチキ、右手でカッターを鳴らしながら、春斗は炎天下の住宅街をダラダラと歩く。 春斗にとっては、小学生最期の夏休み。 ある計画のシミュレーションのため、自宅から『あいつら』の家の前を順番に通って学校へ向かう。 その異様さに、通りすがる人は皆、春斗を見遣る。 しかし、いぶかしげな顔をしながらも、誰一人として声を掛ける者はなかった。
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