①恐るべき子供たち

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「悪」に魅入られた子供たちがいた。彼らは、御歳7歳。その2人組は、恋し恋しあうが、ママゴトみたいな幼稚な関係である。 『あなた、お帰りなさい。今日のお仕事はいかがでしたか? さぞ、お疲れでしょう。御飯になさいますか? 御風呂になさいますか?』 『ただいま。昨今の不況の影響で、苦しい会社の立ち位置だけれども、今日は一筋の光明が見えたよ。この事業が上手くいけば、僕のボーナスもアップするはずだよ。そうなれば、マイホームも夢じゃないよ、お前』  ――というような、ほのぼのとした、しかし敏感で、少し大人を苦笑いさせるような、微笑ましいママゴトではない。巷(ちまた)を賑わす、少年犯罪…無節操な犯罪…自己中心的な動機……それを予感させるような、幼過ぎるが故の悪業。  真夏の昼間に起こったとある出来事。場所は、九州某地にある蝉神社との異名を持つ**神社。では、その物語を今から始めようと思う――。
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