9719人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
「嘘をつかないといけないぐらいやましい事をしてたのかな？」
「してないです！全然してないです！本当なんです。信じてください！」
「その必死な感じが逆に怪しいわね」
と言いながら早姫姉はにっこり笑う。
「まぁいいわ。なんでデートをするという結論に至ったのかを教えて？」
相変わらずニコニコだな、でもボソッと「場合によっては分かってるわよね？」とか言うの止めてくれ。
表情と言葉が合ってないし、もっと言うと目だけ笑ってないのが恐怖心を増幅させる。
ていうか！ 俺は早姫姉がなんでそんなに怒ってるのか分からない。
そもそも西條とはデートしてた訳じゃないんだよね。
「乃斗？ 私の質問に答えて？」
質問に答えてもなにもさ、
「別にデートしてた訳じゃないよ」
「あんなに仲良さそうだったのに？ これ以上嘘をついても良い事なんて無いわよ？」
「嘘じゃないって！ それ以前にさ、なんで早姫姉そんなに怒ってるの？」
「だ、だって・・・」
今日初めて早姫姉の言葉の勢いが弱まった。
最初のコメントを投稿しよう！