-アテルイと刀の未来-

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-アテルイと刀の未来-

【阿弖流為】(あてるい)……古代に東北地方を支配していた一族、蝦夷(えみし)の族長。 蝦夷とは野蛮人の意であり、朝廷の律令政治の支配を受け付けなかったためにこのような差別用語があてがわれた。族長であるアテルイもまた『悪路王』などの蔑称をつけられた。 蝦夷は縄文系の狩猟民族であったため、農耕民族である大和民族とわかりあえなかったことが争いの原因とされている。 朝廷の将紀古佐美(きの こさみ)に勝利したのち、征夷大将軍に任命された坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)に捕縛され、都で処刑された。 首は茨城県、鹿島神社の首塚にて供養されている。また、大阪府の枚方市、片埜(かたの)神社にもアテルイの墓とされるものがある。さらに京都の清水寺に慰霊碑がある。 また蝦夷という民族は鉄器の扱いにも長け、彼らが使用したとされる蕨手刀(わらびでとう)と呼ばれる刀剣は、反りのある日本刀が生まれるヒントとなったとされている。 曲刀は主に騎馬民族が馬上で扱うことに特化させた刀。蝦夷は日本土着の民族だけでなく、モンゴル、満州系の騎馬民族との交流や移民の受け入れがあったのではないかと言われている。 ※162ページの断章『An Old Fear2』や168ページ『悪路王』なども参照ください。
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