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固まった総司を警戒しつつ覗き込むと、先程よりも悲しそうな眼差しが返って来た。
「なんか調子悪ぃからもう寝るわ。
真生も用事があんならさっさと済ませて戻れよ。」
途中まで伸ばした手を引き寄せ、わざとらしく欠伸をしながら立ち上がり自室へ戻る。
真生はいつもと違う彼を気にするが、本来の目的を思い出し総司に続いて縁側から離れた。
緊張で早まる鼓動と相反して、歩調は段々遅くなる。
烝との誤解も解けていないし、何より今日は最悪の出来事があった。
しかし山南が遺してくれたこの文を先延ばしにはしたくない為、怯える自分を叱咤する。
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