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闇雲の中に突入し、雷人を使った身体で、地面に垂直にビルの側面を駆け上がっていく。
先の出来事と違い、今度は“闇”を全身に浴びてしまってるため、身体機能が徐々に失われていく。
それに結界崩壊までの時間も残り少ない。
「ぐっ……うぉおァッ!」
ビルの側面を全力で駆け上がっていき、俺がビルの頂上に着いたと同時に闇雲から抜け出し、俺はそこから更に上へ飛んだ。
手を伸ばしても届かない距離に居たアモンは呆れた表情を一瞬だけ見せた。
『バカが……! 闇雲の中に入ってまで俺を倒そうという意志は認めてやろう……っ!』
アモンは俺に対して淡々と言葉を並べたが、やはりアモンも立て続けに戦ってきたからか疲労の色が見えた。
『だが……貴様もここまでだっ。貴様の今の残力では俺を倒す事は出来ん』
「ああ……確かに出来ねぇな」
アモンは宙へ浮いていられるが、俺は既に地上から数百メートル離れた場所にいて足場も無い為、これが俺の最後の攻撃になる。
この攻撃でアモンを仕留めないと、俺はアモンを逃がしてしまうだろう。
それじゃあ涼香を護った事にならねぇんだよ……!
しかし、アモンが言った通り、今の俺の残力ではアモンを倒せない。
だからこそ、俺はカラドボルグをソロモンの指輪に戻し──
『ッ!! それは……!』
“追尾”性能を持った槍─グングニルを召喚した。
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