尾上水樹の死闘

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翌日 「四天王寺の部隊に動きがありました。 山道方面に向かっているようです。」 伝令の報告に、水樹は 「軍議を行うので、皆呼んでください。」 と指示をだした。 軍議の間 「皆揃ったようなので、軍議を始めます。 まず始めに、四天王寺を山道に追い込む事には成功しましたが、敵も罠だと気付いているでしょう。 そこで、塞いだ街道はに配置している弓兵はそのままに、他の兵は待機。 奇襲は鬼延で行います。」 水樹の言葉に、武将から不満の声はなかった。 それほど鬼延の名は信頼されていた。 「部隊は四つに分けます。 第一部隊は私です。 第二部隊、時雨 第三部隊、双牙 第四部隊、宮内熙也 以上、四部隊です。 斯湧は双牙の部隊に入り、その武勇で敵を蹴散らして下さい。」 皆が頷くのを見て時雨が 「今から言うことは必ず守れ。 四天王寺の中村燈司郎と出会った場合、必ず逃げること。 絶対に戦うんじゃない。」 すると、斯湧が立ち上がり、 「俺では勝てないってことですか?」 その問いに水樹は頷き、斯湧だけでなく全員に聞いた。 「この中で、私か時雨に勝てる人はいますか?」 すると、誰も口を開かず静まりかえってしまった。 「そういう事だ。」 と時雨が言うと斯湧は座り俯いてしまった。
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