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その様子を見ていた双牙は、手を挙げ発言した。
「それならば私の部隊は、敵兵の殲滅を行います。
雨宮殿には敵兵の撹乱をしていただきたい。
その際に斯湧の暗殺術が活かされると考えます。」
「つまり斯湧を熙也の部隊に入れた方がいいと?」
と水樹が聞くと
「はい。
勝つためには最善の方法かと。」
双牙は迷いなく答えた。
「分かりました。
そのようにしましょう。
それでは、軍議は終わりますが、最後に一つ。
今回の目的は時間稼ぎです。
四部隊で休み無く攻撃を加え、敵の体力・士気を低下させ、行軍速度を落とさせる。
最終的に分断して大打撃を与え、四日間以上の足止めが目標です。
四日あれば一宮家を討ってくれるはずです。」
その言葉を誰ひとり疑わなかった。
その理由は柳川宗綱の存在だろう。
水樹は部屋から出ていく家臣を見ながら思った。
(俺の支えは皆が信じてくれるからだ、今なら宗綱の気持ちが少し分かるな。)
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