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「・・・・ま・・・まじで・・・?」
あれ?俺なんか変なこと聞いちゃった?とでもいうような雰囲気でわなわな震えだす友人。
「ち・・っちが!」
「こた!お前好きな女がいるのか?!いや、いるんだろ!」
違う、そう言いかけた言葉はもう一人の声によって遮られた。
「へぇ~!
さっきの栞の話じゃ淡白な感じだったのに!てか淡白なくせに!お前でも好きな女ができるのか!
え?まさか付き合って・・・?」
「ない!!」
あ・・・
と思ったときにはもう遅く、周囲で気持ち悪い笑みを浮かべた男どもにすでに包囲されている。
「へぇ~、付き合っては『いない』んだぁ~。
じゃあこたの一方的な片思いってことぉ~?」
「だっだから!そうじゃなくて!」
「んじゃどういうことぉ~?」
な!何だこいつら!
何でこういうときはこんなに用意周到に意気投合してんだ!
じりじりと囲まれ、そしてそのままとうとう壁まで追いやられてしまう。
普段から知ることのできない俺の秘密を暴こうとにじり寄ってくるこの友人達に若干の恐怖を覚えたころ、鶴の一声ともとれる高い声によって命拾いする。
「ちょっと!そこらへんでやめなさいよ!」
栞だ。
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