30.変わらないもの

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シャワーを浴びて 髪を乾かしてから お母さんが 浴衣を着せてくれた。 去年、着た浴衣は 色んな思いが溢れ出しそうで 着る気になれなくて 親戚の子にあげて 新しく買い直した。 「似合うじゃない」 お母さんは、笑顔で言う。 「そう?」 恥ずかしくて、 そう答えるだけで 精一杯だった。 ―――蓮は、どう思うかな? 蓮の顔がチラッと横切った。
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