3418人が本棚に入れています
本棚に追加
/2514ページ
どうやら彼女もしっかりと温もってきたらしく、湯上がりの髪にまだ水分が残っていた。薄手のシャツ一枚で、マッサージチェアの振動に揺られている様子は実に……────エロい。
「先輩?」
ミリアの横には、二人組の男がいた。地元の人間なのか独特の訛りで「先輩」という単語を口から吐いてネロを睨む。
ミリアが先輩と呼んだのを聞いて、ネロがそうなのだろうと判断したのだろう。それは実際に間違ってはいない。
「んだよ。男いるのかよ」
「彼氏いたのか」
「だからー、最初からそう云ってるじゃねえですかぁ」
それは違う。いつから付き合っている事になったのか。
しかし、こういった状況で、いちいちそれを否定するのがマズイというのは、ネロにでも分かる。彼女には借りがある事だし、ここは彼氏という事にしておくべきだろう。
…………『彼氏』の部分を否定しなかった事に、満面の笑みを向けてきたミリアを見て、ネロは外堀を埋められた感覚になった。
最初のコメントを投稿しよう!